スペイン語はスペインをはじめ中南米の多くの国々の公用語です。また英語圏の米国においてもロサンゼルスやマイアミを中心に2,000万以上の人々によって話され、世界のスペイン語人口は6億人弱と言われています。スペイン語はそれを公用語とする国々の間で貿易や通信に使用されることはもちろん、国際政治の場においても国連公用語の一つとして重要な役割を果たしています。
スペイン語圏諸国は距離的に遠い世界といった感じがしますが、日本との交流は特にこの数年の間に著しく増大して来ました。政治経済の分野では多くの国家元首が来日し、日本企業も活発に進出しています。文化面でも、例えば音楽では、すでにタンゴやボレロ、マンボ、ルンバなどのいわゆるラテンが有名ですが、カリブ海の民族音楽とジャズやレゲエなどがミックスされ,ニューヨークで生まれたサルサやレゲトンなども大変注目されています。日本生まれのサルサバンド,オルケスタ・デ・ラ・ルス(解散しましたが)は,国連平和賞にも輝きました。また世界的に高い評価を受けているラテンアメリカを中心としたスペイン語圏の現代文学も多数翻訳が出版され、スペイン語圏の映画をビデオ・レンタルで捜すことも難しいことではなくなっています。さらにスペイン語を話す日系人を見かけることも珍しくありません。このようにスペイン語の世界は私達にとって身近なものになっています。
6億人のスペイン語世界は、単に広いばかりでなく非常に多様性に富んだ世界です。スペイン国内でも,中世の面影を色濃く残す首都マドリッド周辺と,ガウディやダリの街として知られ,ヨーロッパのクリエイティビティの中心地となっているバルセロナはまったく別の表情を見せます。さらに,スペイン南部にはイスラム文化が美しく残っており,スペイン国内だけでも,多様な文化と価値観を体験することになるでしょう。多くの国がスペイン語を公用語とするラテンアメリカには,マヤ文明やアステカ文明,インカ文明と言った古代文明の痕跡が,熱帯雨林の中に巨大ピラミッドとして散在しています。ペルーのマチュピチュなどは,一度はその姿を映像などで目にしたことがあるのではないでしょうか。このほか,ボリビアのアマゾン川流域やウユニ塩湖,アルゼンチンとチリにまたがるパタゴニア地方には,人工的な要素を一切感じない,手付かずの雄大な自然が残っています。
外国語の学習には様々な努力が必要ですが、新たな言語を学習することは新たな世界の認識の仕方を知ることであり,多様な価値への寛容な態度と開かれた視野を養ってくれると信じています。スペイン語は実りある新たな地平を皆さんに開いてくれるでしょう。では教室でお会いしましょう。
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